「ミュシャ展」へ(2017年@国立新美術館)

東京都

【会 期】2017年3月8日(水)-6月5日(月) 毎週火曜日休館
【会 場】国立新美術館

2017年は日本とチェコが国交を回復してから記念すべき60周年を迎える年にあたるとのこと。
そして、国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業ということで、国立新美術館へ!

《スラヴ叙事詩》の世界

今回のミュシャ展は、ミュシャが晩年の約16年間を捧げた画家渾身の作品《スラヴ叙事詩》(1912-1926年)がメインとなり、 普段良く目にする華やかなポスター画とはだいぶ異なります。

50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間を捧げた渾身の作品が、
プラハ市のために描かれた《スラヴ叙事詩》(1912-26年)。

重たいテーマというか、かなりの力で心が押しつぶされそうになる作品です。 覚悟はしていたものの、 なんとも苦しさの伝わってくる展示でありました。

《スラヴ叙事詩》は、1960年代以降、モラヴィアのモラフスキー・クルムロフ城にて夏期のみ公開されてはいたそうです。
その幻の傑作が、80年以上の時を経て2012年5月、ついにプラハ国立美術館ヴェレトゥルジュニー宮殿(見本市宮殿)にて全作品が公開。

その《スラヴ叙事詩》が、チェコ国外では世界で初めて、全20点まとめて公開されるものということで、もうこんなこと、もう何十年も無いといわれる展示です。

ぜひ、音声ガイドと共に

この『ミュシャ展』は、音声ガイドを一緒にして一枚一枚を味わうのがおすすめです。モルダウの流れる音声ガイドと共に、チェコへ渡れる気分かも。
ひとつひとつの作品の歴史や、その絵にこめたミュシャの心、音声ガイドがあると、とても分かりやすく、しっかり味わえるのではないかと思います。

とにかくすごいエネルギー詰まってます・・・

とても大きな作品に、圧倒されました。
淡いパステル色の大きな絵が、会場に並びます。
これだけの作品を画ける想い、ほんとうにすごいなって思いました。

《スラヴ叙事詩》の作品の存在は画集などで知ってはいたけれど、
華やかな絵を画いているミュシャの作品のほうが、好みだったので、
実際に観るまであまり興味は強くなかったのですが、
実際に観に行ってみると、作品に引き込まれていきました。

ミュシャの人生を掛けた思いがその作品の中に深く込めてあって、ものすごいエネルギーで。
とてもたいせつな作品なことが、自分の心にも響いてきました。こんなにも命を削って画いた作品が、画ききった当時は、
時代と合わず、同じ民族の人たちにも興味ももたれなかったそうで、
ミュシャは、とてもやるせない気持ちになったんじゃないかって思うけれど、
いつかは伝わる、と、必要なことだと、自分の民族へ残りの人生をささげることに、後悔無く、まっすぐだったのだなと。

プラハで展示されるようになったのもつい最近のこと

プラハで展示されるようになったのは、つい5年前だそうです。
ミュシャの描いているその当時には、新しい時代がやってきていて、自分たちの民族のために描いているにもかかわらず、その同じ民族の方々から見向きもされなかったという作品で、とても切ない気がしたけれど
この作品の役割が来たのかもしれない、これからその絵が必要な時代になったからなのかもしれない、とも感じました。

民族や宗教の違いがあっても、人はお互いよく知り合えば、分かり合えること、
平和を願う心、必要な時代になっているんだとも、思います。

平和を願い、命あるかぎり描き続けたミュシャなのですよね。
尊敬しています。

アルフォンス・ミュシャとは?